梅雨の時期になると、片頭痛に悩む人が急増します。今年も例外ではなく、東京都内のクリニックには多くの片頭痛患者が訪れています。片頭痛の原因や対処法、最新の予防薬について詳しく解説します。症状に悩む方にとって役立つ情報をお届けしますので、ぜひご覧ください。
片頭痛の原因と増加の背景
気圧・温度差・湿度の影響
片頭痛の主な原因として、気圧の変化、温度差、湿度が挙げられます。せたがや内科・神経内科クリニックの久手堅司院長は、「この時期は気温も湿度も上昇するため、頭痛が出やすくなる」と述べています。気圧の低下や急激な温度変化が自律神経に影響を与え、片頭痛を引き起こすとされています。
気圧の変化
気圧の変動は片頭痛を引き起こす大きな要因の一つです。特に低気圧が接近するときに症状が悪化しやすいとされています。気圧の変化によって脳内の血管が拡張し、神経を刺激することで痛みが生じます。
温度差と湿度
温度の急激な変化や高湿度も片頭痛の引き金となります。これらの要因が自律神経を乱し、頭痛を引き起こすと考えられています。梅雨の時期は特に注意が必要です。
芸能界にも広がる片頭痛の悩み
片頭痛に悩む人は芸能界にも多くいます。モデルの西山茉希さん(38)は、約30年間片頭痛に悩まされており、特に天気が悪い日や季節の変わり目に頭痛が多くなると話しています。彼女のように片頭痛に悩む人は少なくありませんが、病院に行かない人も多いのが現状です。
芸能人の体験談
西山さんは、自身のInstagramでも片頭痛の辛さをシェアしており、同じ悩みを持つファンから多くの共感を得ています。こうした声は、片頭痛に対する理解を深める一助となるでしょう。
MOH(薬剤使用過多による頭痛)について
市販薬の過剰摂取が引き起こす頭痛
最近、薬剤使用過多による頭痛(MOH)が増加しています。市販薬を過剰に摂取することで頭痛が悪化し、慢性化するケースが多く見られます。MOHは、片頭痛を持つ人が痛みを抑えるために市販薬を多用することで発症します。
MOHのメカニズム
市販薬の常用によって脳が痛みに対して過敏になり、結果として頭痛が慢性化します。痛みが強くなるとさらに薬を服用し、悪循環に陥ることが多いです。
過剰摂取を避けるためのアドバイス
薬を予防的に飲むことは避け、痛みが出始めてから飲むのが効果的です。月に10日以上頭痛薬を飲む人は、必ず病院での受診をおすすめします。頭痛専門医の指導のもとで、適切な治療を受けることが重要です。
正しい薬の使い方
片頭痛の発作が始まったときに適切なタイミングで薬を服用することが大切です。予防薬としてではなく、痛みを感じた時点で服用することで、薬の効果を最大限に引き出すことができます。
片頭痛の見分け方と対処法
片頭痛の特徴と診断方法
片頭痛は頭を振ったりお辞儀をして痛みが強くなるのが特徴です。動くと頭痛が悪化するため、片頭痛が疑われる場合は注意が必要です。診断の際は、痛みの部位や症状の詳細を医師に伝えることが重要です。
片頭痛の具体的な症状
片頭痛は頭の片側がズキズキと痛み、吐き気や嘔吐、光や音に対する過敏症状を伴うことが多いです。これらの症状がある場合は、片頭痛の可能性が高いです。
片頭痛を予防する生活習慣
片頭痛の予防には、生活習慣の改善が重要です。以下のような対策を取り入れることで、発症リスクを減らすことができます。
直射日光を避ける
直射日光を浴びると光が眼球を通って脳を刺激してしまうため、サングラスを使用することが有効です。特に外出時には日差し対策を徹底しましょう。
混雑した場所を避ける
混雑した場所では光や音などの物理的刺激が多く、片頭痛を誘発しやすくなります。できるだけ静かな環境を選ぶようにしましょう。
食事を抜かない
食事を抜くと血糖値が下がり、脳神経を刺激することがあります。規則正しい食生活を心がけ、栄養バランスの取れた食事を摂るようにしましょう。
休日に寝すぎない
休日に過度に寝すぎると、睡眠時間が長くなることで血管が拡張し、神経を刺激することがあります。適度な睡眠時間を保つことが大切です。
最新の片頭痛予防薬
CGRP関連抗体薬の効果と副作用
2021年に3種類の片頭痛予防薬が保険適用されました。朝日大学病院の下畑敬子教授によると、CGRP関連抗体薬を使用した患者の約7割で頭痛の日数が半減し、頭痛がなくなる患者もいるとのことです。副作用は少ないものの、まれにアナフィラキシーの症状が出ることもあります。
CGRP関連抗体薬の詳細
CGRP関連抗体薬は、カルシトニン遺伝子関連ペプチドに作用することで片頭痛を予防します。基本的に月1回の皮下注射で効果が期待でき、3割負担の場合の費用は約1万2000円〜1万4000円です。
受診のすすめ
片頭痛で悩む方は、頭痛専門医がいる病院を受診することが推奨されます。特に、これまで効かなかった方にも新しい予防薬が効果を発揮する可能性があります。下畑教授は「気軽に頭痛専門医がいる病院を受診して欲しい」と述べています。
まとめ
梅雨の時期に急増する片頭痛の原因と対策について解説しました。日常生活での予防策を取り入れ、症状が改善しない場合は専門医の受診を検討してください。最新の予防薬を使用することで、多くの患者が頭痛から解放される可能性があります。適切な対処法を取り入れ、快適な生活を送りましょう。
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