日本人の約50％が悩む歯周病。その原因と最新治療法について、2024年6月13日放送の「DayDay.」で詳しく取り上げられました。この記事では、歯周病のリスクや最新の治療法について解説します。
歯周病の現状とリスク
歯周病患者の増加
ここ20年で歯周病患者の数は急増し、その数は倍以上に達しています。厚生労働省のデータによれば、日本人の約50％、つまり約半数が歯周病にかかっている現状です。歯周病の主な原因は、歯と歯ぐきの隙間に侵入する細菌によって引き起こされるものです。具体的には、食事の後に歯に残った食べかすが歯垢となり、その中に細菌が増殖します。この細菌が歯肉に炎症を引き起こし、口臭や歯の喪失リスクを高めるのです。
歯周病は単なる口の中の問題だけではなく、全身に影響を及ぼす病気でもあります。例えば、歯周病により歯がぐらつき始め、最終的には抜け落ちてしまうことも珍しくありません。このような歯の喪失は、噛む力を弱め、食事の質を低下させることで、栄養バランスの崩れにも繋がります。さらに、歯周病は進行すると治療が難しくなり、歯を抜いたり外科的な手術が必要となることもあります。
歯周病が全身に及ぼす影響
歯周病は口の中だけでなく、全身の健康にも深刻な影響を及ぼすことが知られています。例えば、歯周病の炎症が血管を通じて全身に広がり、心疾患や呼吸器疾患、糖尿病などを悪化させるリスクがあります。具体的には、口腔内の細菌が血流に乗って全身を巡ることで、血管内に炎症を引き起こし、動脈硬化の進行を促進する可能性があるのです。
特に糖尿病患者にとって、歯周病は大きなリスク要因となります。歯周病による炎症が血糖コントロールを難しくし、糖尿病の症状を悪化させることがあるため、糖尿病患者は特に口腔ケアを徹底する必要があります。また、逆に糖尿病が歯周病の進行を早めることも知られており、この二つの病気は相互に影響を及ぼし合う関係にあります。
さらに、歯周病は性別によるリスクの違いもあります。特に女性はホルモンバランスの変化により、歯周病にかかりやすい傾向があります。例えば、妊娠中や閉経後の女性は、ホルモンの変動により歯肉が敏感になり、炎症を起こしやすくなります。このため、女性はライフステージに応じた適切な口腔ケアが求められます。
予防と早期発見の重要性
歯周病の予防には、日々の適切な口腔ケアが欠かせません。具体的には、毎日のブラッシングに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して歯と歯の間の汚れを取り除くことが重要です。また、定期的な歯科検診を受けることで、早期に歯周病を発見し、適切な治療を受けることが可能になります。
歯周病は初期段階では自覚症状が少ないため、見逃されがちです。しかし、朝起きたときに口の中がネバネバする、歯ぐきが腫れている、出血しやすいなどの症状が見られる場合は、歯周病の初期サインかもしれません。これらの症状に気づいたら、早めに歯科医を訪れることが大切です。
歯周病ケア商品の売り上げ増加
ドラッグストアの現状
近年、歯周病に対する関心が急速に高まっており、都内のドラッグストア「くすりのケンコ薬局」でもその影響が顕著に現れています。歯周病ケア商品の売り上げが増加しており、その理由は、歯周病の予防と治療に対する意識の向上にあります。
増加の背景
歯周病は、歯と歯ぐきの間に歯垢がたまり、そこに細菌が増殖することで発症する病気です。歯周病が進行すると、歯肉の炎症や出血、口臭、さらには歯の喪失といった深刻な症状を引き起こします。さらに、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため、予防と早期発見が非常に重要です。
専用ケア商品の役割
「くすりのケンコ薬局」では、歯周病ケア商品として、歯間ブラシ、デンタルフロス、専用のマウスウォッシュや歯磨き粉などが人気を集めています。これらの商品は、日々の口腔ケアをサポートし、歯周病の予防に役立つとされています。特に、歯間ブラシやデンタルフロスは、歯と歯の間の細菌や歯垢を効果的に取り除くため、多くの利用者に支持されています。
顧客の反応
「くすりのケンコ薬局」のスタッフによれば、歯周病ケア商品の売り上げはここ数年で着実に増加しているとのことです。多くの顧客が歯周病のリスクについて学び、日常的なケアの重要性を理解するようになった結果、ケア商品の購入が増えているといいます。特に中高年層の顧客からの関心が高く、自身の健康管理の一環として歯周病ケアに取り組む姿勢が見られます。
専門家の見解
専門家によると、歯周病の予防には定期的な歯科検診と適切な口腔ケアが不可欠です。歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングに加えて、日常的に専用ケア商品を使用することで、歯周病のリスクを大幅に低減することができます。また、歯周病が進行する前に対処することが重要であり、初期症状を見逃さないための意識も必要です。
初期症状と見逃しがちなサイン
自覚症状の少なさ
歯周病は初期段階では自覚症状が少ないため、見逃されがちです。そのため、多くの人が症状が進行するまで気づかず、治療が遅れることが多いのです。帆足公人理事長によると、歯周病の初期症状として以下のようなサインがあります。
出血
歯を磨いたときに歯ぐきから出血することは、歯周病の初期症状の一つです。出血が見られる場合、歯ぐきの血管が破れている可能性があります。これは細菌が血管内に入り込み、全身疾患に影響を及ぼすリスクがあるため、早期に対処することが重要です。
歯ぐきの腫れと赤み
歯周病が進行すると、歯ぐきが腫れて赤くなることがあります。これは歯ぐきが細菌に感染して炎症を起こしているサインです。通常、健康な歯ぐきはピンク色をしていますが、炎症が起こると赤みを帯び、触れると痛みを感じることがあります。
口臭
口臭は歯周病のもう一つの初期症状です。歯周病菌が口内で増殖し、その結果、口臭が発生します。特に朝起きたときに口の中がネバネバして不快な臭いがする場合は、歯周病の可能性があります。
歯ぐきの引き締まりの減少
健康な歯ぐきは歯にしっかりと付着していますが、歯周病が進行すると歯ぐきが歯から離れ、歯周ポケットが形成されます。このポケットに歯垢や細菌が溜まりやすくなり、さらに症状が悪化します。
歯の動揺
歯周病が進行すると、歯を支える骨が徐々に破壊され、歯がぐらつくことがあります。これがさらに進行すると、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあります。
早期発見と治療の重要性
歯周病は初期段階では自覚症状が少ないため、定期的な歯科検診が重要です。歯科医師によるプロフェッショナルクリーニングや、歯ぐきの健康状態をチェックすることで、早期に歯周病を発見し、適切な治療を受けることができます。特に、歯ぐきの深さを測ることで、歯周ポケットの存在を確認し、歯周病の進行度合いを把握することが可能です。
最新治療法：ブルーラジカルP-01
世界初の治療機器
世界初の歯周病治療機「ブルーラジカルP-01」は、2023年7月に厚生労働省から承認を受け、2024年1月から販売が開始されました。この革新的な機器は、過酸化水素と特殊なレーザー照射技術を組み合わせたもので、歯周ポケットの内部に蓄積した細菌を99.99％除去することができます。
技術の特徴
ブルーラジカルP-01は、過酸化水素の殺菌力と特殊な青色レーザーの照射技術を利用しています。過酸化水素は強力な酸化作用を持ち、細菌の細胞膜を破壊します。一方、青色レーザーは特定の波長の光を利用して細菌を直接攻撃し、歯周ポケットの内部まで届くことで、従来の治療法では届きにくかった部位の細菌も効果的に除去します。
治療の効果と費用
ブルーラジカルP-01の治療効果は非常に高く、1回の治療で99.99％の歯周病菌を除去できます。その効果は約3ヶ月間持続するとされています。この治療法は、従来の外科的な手術や歯を抜く必要がないため、患者にとって負担が少ないのが特徴です。
費用
1回の治療費は保険適用外で、1歯あたり約1万円です。これは、従来の歯周病治療に比べてやや高額ですが、効果の持続性や手術不要というメリットを考えると、十分に価値のある投資と言えるでしょう。
まとめ
歯周病は日本人の5割が悩む深刻な病気ですが、最新の治療法である「ブルーラジカルP-01」によって効果的なケアが可能となりました。日常的なケアと定期的な歯科検診を心がけ、歯周病の予防と治療に努めましょう。
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